R*Fragments V++

雨粒が大地にぶつかる
ひとつ
また
ひとつ

音が重なって

繋がって

まるでひとつの個体ように
まるでひとつの川のように











※ノエニドって程でもないノエニド
まったりですが同性いちゃいちゃ苦手な方は注意

変わらぬ音色に
静かに開く扉の音と乾いた足音が追加され
閉じていた目蓋を開く

横たわらせた体をややよじり
薄暗い闇の中
目を細目足音の鳴る方を見つめる


「もう、起きていらっしゃいましたか…まだそんなに時間は経っていませんよ？」


溜め息
それでも優しい声色が鼓膜を揺らす


「…雨音、聞いてたのですか？」

ぁあ、と
あまり声が出ず小さく反す

ベッドサイドまできて初めて顔の輪郭が見える
心の何処かで、安堵してるのを感じた
そっと腕を伸ばし
ズボンの端をぎゅぅと掴む

それに返すように
自分よりも少し大きく、筋張った手が
頬を撫でる


「離れてしまってすいません…」

首を数回、横に振る

温め直しただろうポットをサイドボードに置いてたのを知っている
暖炉がないこの部屋で
自分が寒くないように持ってきてくれているのも


不意に
唇にひんやりと柔らかいそれが降ってくる
突然の事で目を数回瞬かせれば
くすり、と
小さく笑う声が聞こえた


「ん…ノエル…？」

「本当に貴方って人は…可愛いですね…」


額や頬に接吻を落としながら言う
その顔が
その顔を

自分だけが見れる顔、だと思うと

なんだか濃霧の鬱陶しさすら消してしまうくらい…嬉しい…


「…夜明けまで大分時間がありますね…ゆっくり寝てください」

「……一緒…に…」


撫でられ重くなる目蓋に逆らいながら
ノエルの腕を引っ張り
ベッドに引き摺り込む


「……ニド？」

「………ん」


胸板に額を押し付けるように抱き寄せる

触れる温かさに
触れる柔らかさに

目蓋は今度こそ逆らう事なく
閉じられていった




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

ちょっとほっこりするような感じのを書いてみたかったのでした

パラディンか誰かが遅いから起こしに来たとき
ノエルさんも一緒になって寝ちゃってればよいと思う
ぎゅって抱き締めて

とか

久しぶりに小ネタじゃないもの書いた気がするな…