R*Fragments V++

小鳥が囀る中微睡んでいると
小さな、手が伸びてくるんだ
目をあけたら君がいて
俺と同じ青い目が
楽しそうに
笑うんだ



もし世界がほんの少し、優しかったら




.

みしみしと
骨が軋む

完全に折れる前に剣を振り上げれば
巨体は足を失い
バランスを崩し滑稽にも喚きながら倒れる


「終いだ」


急所に深く突き刺せば
青き巨人は霧散してゆく


「ニド、無事か？」

「…問題ない」


瓦礫を崩しながらディアボロスがニドを一瞥する


「主よ…人間の気配がする…」


じっと動かなかったファイアドラゴンがのそりと立ち上がる

器用に鼻で瓦礫を押し上げれば
其処には黒髪の少女が横たわっていた

微弱な生の気配を放つ少女に一瞬
自分の半身たる双子の妹がかさなる


「…残念だが、これではもう」


火竜の目は哀しみを湛えながら
少女を見つめる

ニドはそっと手を伸ばし
頬を撫でるように触れる

少女はあったかい、と
吐息に近い声を零し頬を緩め
そして……




「…無力だと、思うか？」


静寂に包まれた中投げ掛けられるは悪魔の声
目の前の地面は小さく盛りあがり野花が置かれている


「それだけの力を持っていながら、幼き灯火を見届ける事しか出来ない、と…

紅蓮の王といえど…全能なる者ではないと
貴様は理解しているはずだ、ニド」


ニドは目線を悪魔にうつす
何かをいいたげに口をあけるも
それが音になることはなかった


「…独りぼっちで、逝かずに済んで…よかったな」


火竜がすり、と地面を鼻で撫で
ニドをみやる
その瞳に宿した炎は…慈しみ


「行こう、主よ…我々に立ち止まってる暇は…ないぞ」


少しでも助けたいと思うのなら
そう付け足して



≠≠≠≠≠≠≠
久々に真面目な話…かな
この小説、2ヶ月放置してました
難しいね、うん
もっと伝えたいこととか
書きたいこと纏められるように
頑張りたいです…

鬼門は
終わらせ方、かな(笑)