R*Fragments V++

――白髪の青年は鏡の前に一枚の紙を置く
それは真っ白い紙ではなく
決してお世辞でも綺麗とは言えない、けれど丁寧に書かれた文字が
白を覆い尽くしていた

青年はしばらく鏡を見つめた後に少し眉を寄せるも
何事もなかったかのように
踵を返す
部屋に響く石段を下る音
飛ばされないように石を置いた紙が
風を受けてふわりと揺れた






――黒髪の少女は鏡の前に一枚の紙を置く
それは真っ白い紙ではなく
細く綺麗で丁寧に、それでいてどこか頼りなさげに書かれた文字と押し花が
白を覆い尽くしていた

少女は鏡を見つめ、そっと手を伸ばす
けれど触れるのは冷たい鏡に映った悲しげに眉を寄せる自分
首を軽く横に振ればいつものように凛々しい顔で
その黒い髪を靡かせて部屋を出る
響く石段を下る音が
ただ重しを置いた紙だけ置かれた部屋に響いた









――――――――――――親愛なる妹へ
　―――――――――――――親愛なる兄へ

きっとこれは俺の自己満足で、お前は見ることはないと思う
　きっとこれは届かないかもしれない、けれどどうしても伝えたくて

あの時、この鏡でお前を見たとき、心が凍りそうだった
　あの日、この鏡に映った貴方を見て、心が震えた

死んでしまったと思っていたお前が生きていた事
　もう二度と会えないと思っていた貴方を見る事が出来て

俺と同じように、アルカナを宿し、剣を握る姿を見て
　私のように瞳を赤く染め、私と違ってその髪を白く変わった姿を見て

俺は結局、お前を護れなかったのだと
　私は貴方に護られてばかりで何もできなかったのだと

痛感した
　痛いほど解らされた

一度は、お前のいない世界なんてどうでもいいと思ったんだ
　貴方が護ってくれた命なのに、私は貴方がいないと生きる意味なんてないって思った

けれど
　けどね

そんな俺に種族もバラバラなのに付いて来てくれる、慕ってくれる仲間がいたんだ
　種族なんて関係なく私を護ってくれる、共に戦ってくれる仲間がいたの

だから
　だからね

もう、大丈夫だから
　もう、大丈夫だから

俺の事で悲しまないでくれ
　悲しい顔なんて、しないで

違う世界でも、お前が生きてくれてるって、わかってよかった
　違う、相容れない世界でも、ちゃんと生きててくれてよかった




だからどうか

自分らしく、生きて、幸せになってください



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相変わらず抽象的なゆきのり文でしたｗ
双子だから同じようなこと考えてそうだなぁとか
でもまぁ、ニドさんは、あれ、ね＾＾＾＾＾＾

いつかリシアも同じ世界にいるパラレル設定の小説書きたいなぁ…
リシアはブーケと組んで両兄をネタに飯がうまいみたいな子だとか勝手に思ってるｗ


それにしても忍者の広告いきなりデカくなり過ぎじゃなかろうか…(・ω・`)
放置してる時に出るのとあまり大きさ変わらないのだが

あとなんかエディタの調子もおかしい…引っ越した方がいいかなぁ？(・ω・`)他にいいところないかしら